所長挨拶

口承表現、芸能、祭礼等に代表される無形文化遺産は、生きている遺産です。時代によって変化しつつも、世代から世代へ引き継がれ、革新、創造、交流の源である文化の多様性につながるものです。グローバル化が進み、多様性の維持と持続可能な開発の実現という課題に直面する現代において、文化の貢献への期待は大きく、また国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成においても、地域で培われてきた伝統的知識や文化的実践などの無形文化遺産が果たす役割がさらに認識される必要があります。

全世界人口の約3分の2を占めるアジア太平洋地域は、無形文化遺産の宝庫です。しかし、その多くが社会の変容、高齢化、災害、紛争等により、消滅の危機に瀕しています。無形文化遺産の保護は緊急の課題であり、国境を越えた協力が必要不可欠です。

このような問題意識の下、アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)は、アジア太平洋地域における無形文化遺産の保護に関する研究の中核的な存在として、ユネスコ、大学、研究所、博物館、地方自治体、コミュニティ関係者、政府および非政府組織等と連携しながら、研究のための基盤づくりを進めるほか、無形文化遺産保護と災害リスクマネジメント、SDGsへの無形文化遺産の貢献、新型コロナウイルス感染症の無形文化遺産への影響といった、現在の世界的課題に関連する事例研究を展開しています。

世界に先駆けて無形文化遺産の保護に取り組んできた日本に位置する特性を生かし、今後もIRCIは、多様な主体と連携しながら、調査研究を通して域内の無形文化遺産の保護の促進・活性化に努めてまいります。

町田 大輔

スタッフ

所長
町田 大輔
総務担当
事務職員 2名
アソシエイトフェロー1名
事務補佐員1名
研究担当
室長
野嶋 洋子
アソシエイトフェロー
于 楽
アソシエイトフェロー
辻 貴志
アソシエイトフェロー
松山 ひとみ
アソシエイトフェロー
渋谷 百代
ほか2名
連携研究員

石村 智

(東京文化財研究所)

 

 

 

名誉顧問

松浦 晃一郎
元ユネスコ事務局長

2017年10月1日より、IRCIの名誉顧問にご就任いただいております。

松浦氏には、ユネスコ事務局長をはじめとした豊富な経験と知識を基に、IRCIの運営に関する支援及び助言を行っていただくこととしております。

 

シニアフェロー

河野 俊行
九州大学名誉教授

2021年10月1日より、IRCIのシニアフェローにご就任いただいております。

河野氏には、設立以来10年間、IRCI運営理事をお務めいただきましたが、豊富な経験と知識を基に、シニアフェローとしてIRCIに対して助言を行っていただくこととしております。

運営理事会

運営理事会は、ユネスコ代表を含む10名の国内外の専門家及び専門機関の代表で構成され、中長期計画、事業計画及び事業報告等のIRCIの活動全体について審議、承認しています。

第八回IRCI運営理事会(2019年11月)

運営理事会理事名
島谷 弘幸
独立行政法人国立文化財機構理事長
都倉 俊一
文化庁長官
黒川 廣子
ユネスコ国内委員会委員/東京藝術大学 大学美術館長・大学美術館教授
ZHU Yanhui
中華人民共和国文化観光部国際交流・協力局国際処長
SONG Inheon
大韓民国国家遺産庁世界遺産課長
YEO Kirk Siang
シンガポール国家遺産局グループ・ディレクター(政策とコミュニティ)
永藤英機
堺市長
DUONG Bich Hanh
ユネスコ北京事務所 文化プログラムスペシャリスト
(2025年4月現在)

助言組織

助言組織は無形文化遺産の分野を熟知している専門家で構成され、中長期計画や事業計画の企画や実施にあたってIRCI所長に対し専門的な見地から具体的なアドバイスを行っています。また、IRCIが運営理事会に提出する報告について運営理事会に助言を行っています。

助言組織構成員名
Christopher BALLARD
オーストラリア国立大学アジア・太平洋カレッジ文化・歴史・言語研究科准教授
速水 洋子
独立行政法人日本学術振興会監事
Hanafi HUSSIN
マラヤ大学名誉教授
Naomi FAIK-SIMET
パプアニューギニア研究所次長(ダンス担当)

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